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独自調査・研究

分析レポート

研究のテーマは、日本企業の健康経営の評価と、実際の取り組み・勤務実績の関係です。材料は、健康経営優良法人の認定データ・健康経営度調査のフィードバックシート・厚生労働省の職場情報・有価証券報告書などの公開データです。これを自分で集計し、評価が何をとらえ、何をとらえていないのかを確かめています。
集計の方法と出典、言えないことは各レポートに載せています。数字は新しいデータが出たときに見直し、更新日を記します。

この研究で確かめていること

  1. 評価制度は、企業のどのような取り組みを見分けているのか
  2. その評価は、実際の勤務実績とどこまで対応しているのか
  3. 公開情報から、制度や実績をどこまで正確に測れるのか
  4. 個別の施策に分けると、勤務実績との対応は明瞭になるのか
  5. これらの結果から、健康経営を企業経営の中でどう位置づけるか

使っているデータ

  • 経済産業省の健康経営優良法人の認定法人一覧(2021〜2026年)と、健康経営度調査・認定申請の評価結果とフィードバックシート
  • 健康経営度調査票・認定申請書の見本と認定要件
  • 厚生労働省「職場情報総合サイト(しょくばらぼ)」の全件データ
  • 金融庁 EDINET の有価証券報告書(人的資本の指標と記載)
  • 国の法人情報サイト(gBizINFO)の認定・表彰の記録

読み方

どのレポートも、公開データの観察にもとづく関連を示すものです。健康経営や認定の効果(原因と結果)を示したものではありません。集計値だけを載せ、個社の順位付けや優劣の判定はしていません。

問い1

評価制度は、企業のどのような取り組みを見分けているのか

健康経営優良法人の上位の区分(ブライト500・ホワイト500)に入る企業と入らない企業を、評価結果とフィードバックシートで比べています。

  1. 健康経営ブライト500

    ブライト500に選ばれる企業は何が違うのか

    中小規模法人部門の評価結果とフィードバックシート2年分(2025年・2026年)を比べ、ブライト500の入れ替わりが評価のどこで起きたかを確かめました。2027年の制度の変化も整理しています。

    2026年の側面ごとの差を配点で重み付けした合計のうち、新設の「組織への浸透」「健康風土の把握」が約52%と57%を占めた。翌年入った法人は、前年に効果の説明を発信していると回答していた(61.6%対37.7%)。

  2. 健康経営ホワイト500

    ホワイト500の境界を越えた会社に、何が見えていたか

    前年に同じ一般認定だった会社を、翌年ホワイト500に入ったかどうかで分け、フィードバックシート5年分(2022〜2026年認定)で比べました。施策の届き方、経営会議の議題、自由記述の言葉を見ています。

    2026年ホワイト500のうち108法人は前年に一般認定。前年の偏差値が近い会社どうしでは、健康教育の参加カバー率の伸びが9.9ポイント対2.5ポイント。

  3. 健康経営ホワイト500

    ホワイト500は何で入れ替わったのか

    2025年と2026年の両方に回答した2,454法人の評価結果を集計し、2026年の入れ替わりが評価のどの項目で起きたかを確かめました。2027年の調査票の変更と照らし合わせています。

    2026年にホワイト500から外れた93法人は、すべて順位の低下によるもの。入れ替わりは設問が大きく変わった項目に集中(順位相関0.59と0.77)。

問い2

その評価は、実際の勤務実績とどこまで対応しているのか

認定の有無と上位の区分を、厚生労働省の職場情報(有休取得率・残業時間など)と照らし合わせています。

  1. 健康経営勤務実績

    健康経営優良法人の認定は、実際の働き方と対応しているのか

    しょくばらぼの全件データと2026年の認定一覧を照合し、認定の有無と上位の区分ごとに、有休取得率・残業時間などを中小規模と大規模で比べました。データの欠け方も示しています。

    有休取得率を記入した法人での調整差で、認定法人は中小3.29ポイント・大規模3.22ポイント高い。上位の区分の差は、今の公開データでは確かめられなかった。

問い3

公開情報から、制度や実績をどこまで正確に測れるのか

同じ企業について、しょくばらぼと有価証券報告書の記載がどれだけ一致するかを確かめています。

  1. 人的資本開示公開情報

    同じ企業でも、公開資料によって健康経営の見え方は変わる

    上場法人について、しょくばらぼと有価証券報告書の記載を法人番号で照合しました。数値の実績と施策の記載で、一致の度合いが大きく違いました。

    男女の賃金差異(相関0.953)と女性管理職比率(0.968)は近い値だった。施策の記載は片方の資料にだけ書かれることが多く、保育の支援はしょくばらぼ28.2%、有報の対象の欄3.8%(推定)。

問い4

個別の施策に分けると、勤務実績との対応は明瞭になるのか

施策の記載と、その施策が本来ねらう勤務実績を組にして調べています。

  1. 健康経営施策

    健康経営のどの施策が、どの勤務実績と対応しているのか

    大規模法人約9,800社のしょくばらぼの記載から、5つの施策と、それぞれが本来ねらう勤務実績の組を調べました。施策の判定の精度も独立に確かめています。

    書く量を考えても関連が残ったのは、法定を上回る育児休業などの記載と男性育休率(4.70ポイント)の組。有休の取得促進・残業削減・保育の支援は明瞭でなかった。

問い5

健康経営を、企業経営の中でどう位置づけるか

これまでの分析の結果を組み合わせた研究総括と、産業医としての考察です。新しい統計解析は加えていません。

  1. 研究総括人的資本経営

    健康経営の評価は、企業の何を測っているのか

    一連の分析を、人的資本経営との違いから読み直しました。認定・施策の実施・制度の利用・成果を分けて評価する考え方と、産業医の関与を整理しています。

    評価は、制度が求める仕組みや説明に沿った回答・記載と対応する一方、勤務実績や人的資本の広い領域とは部分的にしか対応していなかった。運用や成果は別に確かめる必要がある。

分析のテーマについて、自社の状況をご相談いただけます

健康経営の取り組みが従業員に届いているか、経営の判断や働き方の実績につながっているかを、貴社の記録から一緒に確かめます。

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